手術当日

いよいよ未知の体験ゾーンに突入する日。けれど、手術は午後だし、浣腸もないし(同室の人は皆、手術前に浣腸をしたけれどなぜか私は前日の下剤のみ。手術まで時間がたっぷりあるから、下剤で充分なのか?=参考の為に聞いてみれば良かった)。

深部静脈血栓症(エコノミー症候群)の予防のための、きつ目のストッキング着用練習をしたり、何かの点滴を受けつつ、時間を待つ。途中、手術担当医(外来担当医)が私の状態チェック?と医師交代を告げに来る。

「前の手術が長くなり、お待たせしてすみません。実は手術途中に別の病院に行かなくてはいけないので、手術途中に執刀医が代わりますが、難しい手術ではないので安心してください」と。聞いて嬉しいかどうか微妙な話だけれど、何でも本当の事がわかっているのは、やはり良いコトだし、言い回しで誤魔化せるような(私は深い眠りの中だもの)話をキチンと伝えてもらえて信頼感が増す思いだった。

付き添い役の夫が到着。担当看護師さん、夫と3人で手術階に行く。病棟と手術室とで、私に関する書類を受け渡し、確認後手術室に向かう。いくつもの手術室が並ぶ風景は、CIAの工作活動の拠点のよう。なんて事を看護師さんに話すと「落ち着いていますねー」なんて。自分でも不思議なくらい動揺なし。

手術室に入ると、数人のスタッフがアレコレ準備中。「よろしくお願いします」と挨拶すると、全員の挨拶が返ってきた。余談だけれど、この場面で「先生、必ず頑張ってください」と言った人がいるとか。立派!

手術台に上り、言われるままに位置を調整したり、横を向いたり…。そしていよいよ麻酔。(この辺からあやふやなのだけど)点滴を打たれ「麻酔薬が入りますよ」と言われた途端に意識不明。

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